ICCラウンジによく遊びに来てくれたら気づくかもしれないが、ラウンジではよくBGMにジャズがかかっている。今学期たまたま大学でジャズの授業を取っているので気づいたが、なんとなくHARD BOPというジャンルが多いと感じる(ジャズマニアの皆様もし間違ってたらすみません)。今やジャズはBGMで流れており聞き流せる存在になったが、60-70年代前半では、輸入のレコードがとても高く、「硬派ジャズ喫茶」という、最低マナーとして「クールに振る舞い、私語禁止」そして「一心にジャズを聴きこむ」場所が存在した時期もあった(モラスキー 2010、16)。早稲田大学の卒業生で作家の村上春樹さんも一時国分寺で「ピーター・キャット」という名のジャズバーを経営していた。実は私たちが通う早稲田大学もそんな「硬派ジャズ喫茶」が数あった場所で、現在でもその文化は残っている。

ここではジャズの授業のため、完全ジャズ素人の私が早稲田近辺にある「硬派ジャズ喫茶」に潜入した感想を報告したい。

今回潜入した「硬派ジャズ喫茶」はモラスキー先生が授業で教えてくれた都電早稲田のすぐそばにある「NUTTY」だ。入店した瞬間、どこかに似ていると思ったが、プールサイドによくあるサウナだった。店内はとても涼しくさっきまで外の熱気と「硬派ジャズ喫茶」への緊張の汗も一瞬で止まったが、店のアレンジと言い、客のしぐさと言いサウナにそっくりだった。ただここで楽しまれているものは熱や、木の香りや、汗を流すことではなく、二つのスピーカーから流れるジャズだった。私が育った台湾の台中では毎年町の広場で一週間ほどジャズフェスティバルを開催するが、「NUTTY」で経験したジャズの楽しみ方とは対極線にあった。私を含めた多くの市民はジャズよりも音楽を聞きながら友達と食べ物や飲み物を楽しむのがメインだった。私は日本と台湾のハーフで家庭の文化もあったせいか2016年の9月に来日以来ほとんど日本で「異国」を感じたことはないが、ここ「NUTTY」で初めて「異国」を感じた。ドリンクを頼んだ後「ジャズ喫茶外人」の私は「硬派ジャズ喫茶」での最低限のマナーを破らないように懸命だった。授業で出た課題のため流れている曲や店について感じたことをノート書き写していた。店主がやがて私の存在に気づき、なんと親切にレコードのカバーを僕の席まで持ってきてくれて、その日店でかかっていた曲のテーマを解説してくれた。店を出るころには最初に感じた「異国」感も消え少しはリラックスができた。

ICCは今学期からInternational Community Center からIntercultural Communication Center に名称を変更にしました。ICCイベントに参加し「異文化」を体験するのもよいですが、早稲田近辺で気軽に入国できる「ジャズ国」もおすすめです。ICCラウンジでジャズを聴いた後はいざ「硬派ジャズ喫茶」へ!

参考文献

マイク・モラスキー (2010) 「ジャズ喫茶論 -戦後の日本文化を歩く-」、筑摩書房。

 

T. K. (Student Staff Leader)