こんにちは!就職活動を終えて、ICCに復帰した学生スタッフです。

数か月ぶりに大学にいて感じるのは、大学ってなんて居心地の良い場所なんだろう!ということです。

それは就職活動を通じて、社会のシビアな現実を身に染みて実感したためです。社会人としてのマナーや慣習に適応することの大変さ、毎日同じリクルートスーツに袖を通す日々に辟易する気持ち、「お祈りメール」どころかメールの1本も寄越さずに不採用になることの虚しさ……。これらは当然ありましたが、就活をすると決めたときから覚悟していたことでした。

私が最も肌身に感じたシビアさとは、日本社会のジェンダーギャップです。

「ジェンダーギャップ指数」というものを知っていますか?

世界経済フォーラムが毎年公表しているもので、各国の政治・経済・健康・教育の4分野における男女格差を示す指標です。2016年版はこちらで参照できます

このレポートによると、調査対象144か国のうち、日本は111位。「女性の社会進出」が盛んに推進されているのとは裏腹に、2016年は過去最低の水準となっています。

主要先進国(G7)で見比べると、他国が上位から中位に位置するなか、日本がとりわけ低い水準であることが分かります。なかでも、日本は健康・教育で高得点なのに対して、政治・経済では著しく低い数値を記録しています。

私はもともとジェンダーに関心があり、日本のジェンダーギャップ指数は以前から知っていました。ただ、問題意識はあったものの、中高6年間を女子校で過ごし、大学でも男女比に偏りのない学部にいるせいか、切実な思いではなかった気がします。

就職活動を始めた頃に、志望する企業の採用数や初任給、勤続年数などを調べて、とても驚きました。私の想像する以上に、そこには大きなジェンダーギャップが数字として表れていたからです。

社会人になったら、たくさん働く分たくさん稼いで、好きなだけ趣味に浪費しよう!と意気込んでいた私は、途方に暮れました。

職場で肩を並べて働く男性よりも、たとえ自分が良いパフォーマンスをしても、女性だからという理由でお給料が少ない……そんな未来を想像すると、理不尽さに泣きたくなりますが、日本で就職すると決めた以上は受け入れるしかないことです。

そんなシビアな現実を知って、せめて自分が納得できる環境で働きたい、という思いを胸に刻みました。

就職活動を経た今、私がこれまでジェンダーギャップを感じることなく過ごすことのできた学生時代の環境は本当に素晴らしいものだったのだと、改めて実感しています。

ですが、特別に恵まれていた、という風には言いたくありません。

なぜなら、そんな環境は本来なら当たり前のものであってほしいと思っているからです。

子供じみた理想論のように聞こえるかもしれませんが、世界に目を向けてみると、日本よりも遥かにジェンダーギャップの小さい国が多く存在しています。

このことは、日本社会に対する失望を抱かせる一方で、もっと生きやすい環境というものが確実にあるのだという希望で私を奮い立たせてくれます。

ジェンダーギャップに限らず、社会で当たり前とされている様々なことのために、誰しもが苦しい思いを少なからず抱いていると思います。それに対して「おかしいな」と感じていても、どうすることもできず耐えなくてはいけない場面もあるかもしれません。

ですが、その一つひとつの苦しみは軽視されてはならないものですし、多くの人に共有され、当事者意識をもって理解され、少しずつでも解消されていってほしいと願っています。

今年の7月1日に、早稲田大学は一人ひとりの多様性と平等を尊重するダイバーシティ推進宣言を公表しました。

ICCは主に異文化交流に取り組んでいますが、国籍・言語・エスニシティのみならず、年齢・ジェンダー・セクシュアリティ・宗教などあらゆる面について、自分とは異なる人を理解しようとすることは、誰もが生きやすい環境の実現に向けてとても意味のあることではないでしょうか。

大学生活も残り半年になった今、早稲田で大学時代を送れたことを心から誇りに思いますし、ICCでの取り組みを通じて、大学をより多様性のある過ごしやすい環境にしていくことの一助になれたらと思っています。

 

M.M. (Student Staff Leader)