2017年1月 のアーカイブ

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実は壮大?絵本からのメッセージ

みなさん「読み聞かせ」ってご存知ですか?主に小さいころに両親が絵本を声に出して読んでくれる、という習慣です。日本人の僕は主に母親からほぼ毎日してもらっていました。読み聞かせをしなくなるまでに、本当に数多くの本を読み聞かせてもらったのですが、最近になってふと読み返してみると本当に面白いものばかりなんです。ストーリーの裏に隠された作者たちのメッセージが手に取るように感じられ、「なるほどこれは親も読み聞かせたくなるものばかりだなあ」としみじみ考えさせられました。

 

そこで今日は皆さんにあるウクライナ民話をご紹介したいと思います。福音館書店出版で、絵は エウゲーニー・M・ラチョフ、訳は 内田 莉莎子の「てぶくろ」という作品です。日本でも広く読まれており、ご存知の方も少なくないでしょう。

 

このお話の簡単なあらすじは大まかに言って…「ある冬の夜におじいさんが森の中に手袋を落としてしまったことに気づいて引き返すまでの間、残された手袋には様々な『住人』が現れる。ねずみやカエル、うさぎにイノシシ、しまいにはクマまでもが『私もいれて』とやってくる。落ちた手袋を先に見つけたおじいさんのつれ犬が、手袋の怪しげな様子を見て大きな声で吠え立てると、動物たちは森へと逃げ帰ってしまった。とそこにおじいさんが現れ無事手袋を拾いましたとさ。めでたし、めでたし。」といったところでしょうか。初めて読んだときは、ただのシュールな作品にしか思えなかった(というのも、手袋に入っていく森の動物たちが途中から異常な大きさになっていくからです)のですが、大人になってから読み返してみて自分なりの解釈に行きついて感動しました。(以下はすべて僕の主観です。)

 

実は、この絵本の中で手袋の持ち主であるおじいさんは何も知りません。おじいさんはただ雪山で手袋を落としたことに気づき、犬が吠えている方向へ行ってみたらそこに自分の手袋が落ちていたというだけの世界だったのです。しかし、その間には確かに大きなストーリーがありました。森から様々な動物たちが現れ、「ここに住むことにするわ!」と言って勝手に手袋の中で暮らし始める。しまいには熊までもが入ってしまうほどの壮大さを含んだ「面白い」物語が“おじいさんの知らないところで”展開されています。ここで僕が思うのは、おじいさんは人間一般の象徴である、ということです。すなわち、作者の伝えたかったメッセージとは「みなさんの知らないところでどんな面白い物語が眠っているかわかりませんよ?もっと周りの世界やそこにある物語を注意深く見てみませんか?」ということだったのではないでしょうか。ね、とてもほっこりする物語でしょ?他にはディズニーアニメの「トイ・ストーリー」にも同じことが言えるかもしれません。

 

今日は皆さんの周りでどんなお話が展開されているのでしょうね

 

 

 

(T. K. 学生スタッフリーダー)

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神楽坂 石畳と“塀”のなか

皆さんは、神楽坂に行ったことがありますか?

 

 

早稲田駅の次の駅である、神楽坂。九段下や大手町に比べ利用客は少ないが、品のいい駅である。

 

神楽坂駅の出口を出ると、目の前になだらかな坂道が広がる。神楽坂通りだ。地面は赤色のレンガ畳が敷き詰められており、両端には街路樹として欅(けやき)が植えられている。

 

 ハイヒールの音をコツコツと鳴らしながら、神楽坂通りを下る。両側には陶器店、金物店、書店、和菓子店、甘味処など昔ながらの店が目立つ。一方で、洒落たカフェやベーカリー、雑貨店などもあり、昔と今が融合している。

 

 そんな神楽坂通りを少し歩くと、ある通りとぶつかる。本田横丁だ。車一台が通れるくらいの道幅で、居酒屋が軒を連ねる。私は、引き寄せられるように、その横丁に入った。午前中のせいか人通りも少なく、自転車に乗った主婦の方とすれ違うくらいだ。

 

 そんな下町情緒が漂う、横丁をすすんでいるといきなり石段が表れた。一歩一歩、ゆっくりと、その石段を、のぼる。その石段をのぼった先に広がる光景に、私ははっとした。
とても、東京だとは思えない、古京都のような細い石畳が広がっていたのだ。道の両側は、白や黒の高塀でおおわれている。塀は屋根が付いており、下部は苔でおおわれていた。屋根の上からは、若々しい木々が頭を出している。私は、どうしても塀の中を見たいという気持ちに駆られた。

 

だが、塀は高く、中をのぞくことはできない。その上、塀の中からは物音ひとつ聞こえなかった。さらに、石畳には、細い電柱が一本控えめに立っているだけで、人っ子一人いない。

 

 いったいここはどこなのだろうか?まるで不思議な世界に迷い込んだような気がして、このまま進んだらこの細い石畳の通りから出られなくなるのではないかと思った。

 

 のちに調べると、その通りは「兵庫横丁」という通りで、武器商人の町であったことからその名が付いたらしい。鎌倉時代から続く由緒ある通りだった。軒を連ねていたのは、あの塀の中は、料亭や旅館であった。しかし、塀の中に何があるのかを知っても、私はあの塀の中になぜか引き寄せられる。

 

 

 

 皆さんも私の話に興味をもったなら、ぜひ「兵庫横丁」に足を運んでほしい。

 

 

TM(ICC 学生スタッフ)